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【報知提供】鈴木圭一郎、絶好のバランスでSGコンプリートへ
雨が降り、伊勢崎コースは、東京オリンピック開催中の都内道路網のように、
インコースのみがまるで「優先レーン」のように車が進みまくる現象に。
とにかく、先に行った者勝ちの一本道。
難しいコース取りに、高橋貢が、早川清太郎が、伊藤信夫が、木村武之が、永井大介が、
そして青山周平までが雨にパワーを剥奪されV戦線から消えていった。
それでも、鈴木圭一郎は生き残った。
準決勝戦10R。タフな7枠から2番手発進を決めて、先手を主張した重富大輔の逃げ切りは許したが、
きっちり2番手を守り抜いて、ベスト8入りを果たした。
ここにSG全5冠のグランドスラムに王手をかけた。
「いやあ、もう2着なら上出来ですよ~!だって、レース前はこれは無理かなあと思っていましたからね。
スタートを切ったら重富さんしか先に見えなくて2番手に付けることができたので、思わず笑ってしまいましたよ!
自分のエンジンは悪くないはずです。でも、重富さんがすごすぎましたね。
でも、何とか優勝戦へ進むことができて、まずは良かったですね!」
鈴木へダイレクトに質問を投げた。
「今の状態でSGは勝てるか?」と。
彼は笑顔で即答した。
「はい、獲れると思います。いいところにあると思いますよ。
フロントの流れる症状を初日にはすぐに解消できた。
それがすごく大きかったです。
一人で走っている分には、すごい手応えもある。
まあ、雨よりは晴れの方がいいとは思います。晴れはかなりいいです。
メタルを交換してあるので、それがなじんでくれたらさらに上があると思うし、まだ何かやるかもしれませんが、獲れる状態にはありますよ!」
鈴木はプレッシャーに弱いわけではない。
しかし、周囲の期待が大きすぎると、その期待に応えなければという気持ちがみなぎり過ぎて、
いろいろな面で自身のペースを乱してしまうことがある。
だから、記録や数字はあえて、意識的に心と頭の外へ置くようにしている。
「今回はグランドスラムがかかりますが、なんというか、そんなに悪いプレッシャーは感じていないんです。
状態が上がってきて優勝戦を迎えることができるので、気持ちは楽ですね。
準決勝戦で負けちゃったので、オール1着でなくなったことも逆にいいかもしれませんね。変なプレッシャーにならないので。
でも、体はちゃんと覚えているんです。緊張を。
おしっこに行く回数がいつもより多いんですよ(苦笑い)。
頭は冷静で、体は緊張している。
なんかすごくいいバランスだと思うんです。
グランドスラムは狙いに行きます。
獲りに行きますが、楽しみながら走れそうですよ!」
エンジンよし、気持ち軽い、体は適度に緊張。
絶好のバランスを整えて、いざSG完全コンプリートへ立ち向かう。
写真撮影をお願いすると、「5つのSG」を意味するように五本の指を大きく開いてみせた。
さあ、その手ですべてのタイトルをつかみ取れ。
(淡路 哲雄)
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