【報知提供】鈴木圭一郎SGグランドスラム達成へ「本番も変な緊張はしないと思う」

「嗚呼、そうそうトルクなんだよ！このパワーなんだよ！！」
エンジンに重厚感を与えたくて、トルクが欲しくて、ここまで時間を使いまくり、知恵を振り絞りまくり、手を動かしまくった。
そして、出た。
ついに、出した。
トルクも、ナイスなエンジンサウンドも、マシンの進み具合も、すべて出した。手に入れた。
準決勝戦11Ｒ。
鈴木圭一郎が好位置から鋭く抜け出した。力強く後続を突き放した。
ようやく、納得いく状態に仕上がった。

「はい！トルク、出ましたねえ～。新品ケースが良かったのか、実績あるクランクが良かったのか。
どっちかはわかりませんが、やっとトルクを出すことができました！（感慨深そうに）
トルクだけじゃなくて、いい音も出てくれました。
ここまで本当にいろいろ調整はやり続けましたが、本当に改めて整備って難しいですよね。
でもまあ、簡単だったら、みんなが大金持ちになっちゃいますもんね（楽しそうに笑う）」

いずれにしても、SGグランドスラムとSG４連覇の達成を実現するために、どうしても必要だった"ブツ"はやっとその手に収めた。
さあ、このブツを最大限に生かして、今年こそSG完全制覇を成就させる。

「家を出る前は、もうおなかが痛くなっちゃって、すごく変な意識はありました。
でも、レース場に来たら、大丈夫でした。いつも通りの気持ちでここまで働いてくることができたと思いますよ。
今回は毎日たくさん整備した？いえいえ、これが僕にとっての普通ですからね（ドヤ顔で）。
全然、残業をしたつもりはないし、いつもと同じようにやらないといけない作業をこなしただけです。
整備だって、まだ終わりじゃないですよ！
これからエンジンをオーバーホールします（えっ？まだやるんですか？？）
そりゃあ、やりますよ！
だって、エンジンはすぐに変わっちゃうのでまだ続けます。
疲れないかって？ぜ～んぜん、疲れていませ～ん」
圭一郎さん、もうスタミナ系ドリンクとか錠剤のＣＭに出演した方がいいですよ。

最後の一日を残して、ここまで愛車は育てた。
さあ、Ｖの可能性は。
彼はすっきりした表情で即答した。

「チャンスですか？はい、ありますよ！
本番も変な緊張はしないと思います。
初日のレースを走るような気持ちで乗ってきます。
今回の優勝戦は練習です。
これから（プレッシャーに耐えて）勝ち続けることができるようになれるよう、練習をする気持ちで走ってきます！」

その表情と様子からは、ネガティブな緊張感は全く感じなかった。
働いて、働いて、充実した時を過ごして、今、彼はメンタルも最高の状態で決戦の山場を迎えようとしている。