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【報知提供】有吉辰也「カミソリスタート」で復活Vへ
誰が名付けた、いや本人が自ら命名した「カミソリスタート」。
そう、有吉辰也は唯一無二の絶対的な飛び出しアクションを武器に、この世界のトップ級を極め続けてきた。
「そうなんですよ。でも、スタート巧者と言われるわりに、実はなにげにSGを勝ったのは最初のオールスター(08年)でしょ、オートレースグランプリ(10年)でしょ、あと全日本選抜(12年)なんですよね。みんなハンデ戦なんですよ。で、肝心の0メートルオープンでスタート勝負の日本選手権とスーパースターを勝っていないという(苦笑い)。なんなんだ、という話ですよね~」
そう自嘲気味に苦笑いを続ける有吉が地元ダービーのベスト8入りを果たした。
「今回はスタートが切れていますよね。最近、あまり切れている感じはなかったんですが、今回はいい。エンジンもいいんでしょうね」
準決勝戦9Rも2枠から素早く2番手に収まり、前を進む高橋貢を8周回追い回した。逆転こそならなかったが、足色では優位を示した。
「はい、ずっと足は良かったです。しかも、最後までバテなかった。普段の自分は後半にすぐバテるというのに(苦笑い)。逆に今回は最後まで勢いがありましたよ。この様子なら距離は延びた方がいい。10周でも十分いけそうです。こんなの珍しいことですよ、ふふふっ」
13年の落車アクシデントで大きなけがを負った。
その後は深刻なスランプに陥った時期が続いたが、復権を果たし、再びタイトルを獲得し、年末の大一番スーパースター王座決定戦への参戦も済ませ、ウルトラ復活ストーリーの最終章はいよいよ迫っている。
そう、SGタイトルを改めてその手でつかみ取った時、有吉辰也の大復活は完全結実する。
「今回はチャンスがあるような気がします。エンジンはいいし、小さく走った方がいいような状態なので、早めに好位に付けたいです。自分の場合、スタートはタイミングなんです。いいタイミングで出て、五分で行けば、このエンジンなら伸びてくれると思います」
鈴木圭一郎が頭角を現した当時、有吉は不調のどん底にいた。
そんな時、圭一郎はこう言っていた。
「いつか、有吉さんが完全復活した時、あのカミソリスタートとSGで勝負したいんです」
さらに、最近、鈴木はごく短期間ではあったがアフロヘアを決めていた。有吉もNo.1レーサーだった当時、アフロヘアで衆目を集めていた。そのオマージュだった。
「圭一郎がアフロヘアにした時、飯塚の町田(龍駿、鈴木の同期)にアフロは100万年早いやろ~と伝えておいてと冗談で言ったんですよ(笑い)。まだまだ圭一郎には早いです(笑い続く)」
2022年ダービーのV戦。
鈴木は最インからトップスタートを狙っている。
7枠から有吉が伝家の宝刀カミソリスタートを切った時、「カミソリより前に行くのは100万年早い!」とコース上で技能を示してそう伝えたい。
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