【日刊提供】黒川京介がSG初制覇「今日は引かないと決めていた」/川口

川口

SG初優勝を飾り賞金ボードを掲げる黒川京介(撮影・柴田隆二)

1度目のスタートでフライングを切った黒川京介(26=川口)が、2度目トップスタートで押し切って優勝した。

9度目のSG優出で初制覇を決め、33期では初のSGタイトルを獲得した。2着は青山周平、3着に中村杏亮。

なお黒川はこのフライングで、規定により来年の日本選手権は出場できなくなった。

待ちに待ったガッツポーズだった。黒川京介が17年7月のデビューから7年4カ月、9度目のSG優出で念願のビッグタイトルを手にした。ただ、そこにたどり着くまでの道は、平たんではなかった。

1度目のスタートで黒川がフライング。いきなり試練が訪れた。

「いやあ、申し訳なかったです。スタートの切れ自体はすごく良かったので、(2度目のスタートも)しっかり切ろうと思いました。スタートタイミングの出だしは遅かったけど、何とか残せました」。

2枠から青山周平がトップスタートを狙ってきた。1枠の黒川が何とか突っ張って出て、最初の1コーナーを先に回ってまずは逃げ展開を作った。

「(1周1コーナーは)いつもは引いてしまうんですが、今日は引かないと決めていたので、どうにか持ちこたえた。いつも序盤にやられてしまうので、インコースを早く走るよう一生懸命練習した。そのイメージ通りに走りました。タイヤもすごく食い付く感じがありましたし、乗りやすくて直線もすごく伸びていくエンジンだと思いました」

試走は3秒30ながら、競走車の仕上がりは抜群。思惑通りの展開だった。ただ、青山が試走3秒26のエンジンパワーで猛追してきた。抑える黒川、追う青山。8周回目あたりで少し青山との差が開き始めた。

「残り2周で少し離れたので、ペース落とさないように走れば、もしかしたら優勝できるのではないか、と思っていました。優勝の瞬間は、すごくうれしかった」。

そして、ついに走行中のガッツポーズを解禁した。

「ガッツポーズはSG優勝した時に、と決めていた。フライングして迷ったんですけど7年分、思い切り挙げました。デビューする時に(SG制覇の時にしようと)思ったので、ここまでかかってしまった。地元で(ガッツポーズ)できるのは最高でしたね」。

封印を解くとゴール後、万感の思いで何度も拳を大きく突き上げた。

ヒーローインタビューでは開口一番「まずはフライング、申し訳ございませんでした」とファンに向けて謝罪もした。ポケバイレース出身で、川口オートの走路も小さなころに走っていた。その体験もあってオートレーサーを志した。

「子どものころからの夢が、川口オートで一番大きな大会『スーパースター王座決定戦』で優勝したい、だった。そこに向かって1走1走、気を入れ直して頑張っていきたいと思います」。

次の目標はSS王座決定戦優勝だ。来月、年末の地元で、一番取りたいタイトルも取りにいく。

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