【報知提供】初日から4連勝の若井友和「今は外がすごく利いている。うまく外を走れた」

川口

地元川口の総大将が、コースで、バックヤードで、あらゆるシーンで、絶大なる存在感を示しまくっている。

4日目の最終予選7R。雨にしぐれた走路を若井友和がまたも、またも、またも爆走しまくった。

しなやかに、優雅に外めのコースを疾走して初日から怒とうの4連勝ゴールを飾った。負けなしの無双ムードで準決勝戦への進出を確定させた。

「過去にSGで負けなしで準決勝戦まで行ったこと?はははっ。調べていないけれど、あるわけないでしょう(苦笑い)。3日も続けて雨になること自体が珍しいし、初めての経験だと思います。雨なら本当は内を走りたいんですが、今は外がすごく利いているからね。うまく外を走れたんじゃないかな。まあ、それもエンジンがいいからできるんだろうね!」

ちょうど、今から20年前。若井は自身初となるSGタイトルを獲得した。2004年のオートレースグランプリに勝利した。1997年にデビューした25期生としても初のSGウイナー誕生だった。

「あの頃は自分も若かったからね。絶対に誰にも負けないぞ!という気持ちがすごく大きかったです。あの当時はとにかく勢いでSGを勝ったという印象でしたね!今はもうそういう勢いとかノリはないけれどね」

若ちゃんも、50歳になった。確かに、20代、30代の頃の勢いはないかもしれない。しかし、今の若井には、技巧がある。経験がある。英知がある。精神の強さがある。

じんわりと年月を重ねて、まるで熟成し切ったワインのごとく、しっとりと枯れたビンテージギターのように、芳潤な味わいを、令和の若井は美しく醸し出している。

「今は効率よくエンジンを整えて、車を操縦できるようになりましたね。整備も冒険はしないよ。ムチャをしなくなったから、エンジンが安定してくれているんだろうね。まあ、それがいいかはわからない。SGの準決勝戦とか優勝戦は、やっぱり爆発力も必要だしね。でも、今はこのやり方で自分は戦っています。昔みたいに120%の力を出し切ろうとするんじゃなくて、まあ、そうだね、平常心だよね!」

そして、ベテランの領域にしっかり足場を整えた若井はこう続けた。

「あっ、自分はね、相手のことをよく研究しているよ。それは他の選手に負けないんじゃないかな。一緒に戦う相手がどんな走りをするのか、どんな性格なのか、どういうコース取りをしてくるのか。昔の自分はそういうことを何も考えないで、ただガムシャラに走っていたけれど、今はそういうことも考えながらレースに行っています。だから、展開をうまく突いたり、混戦を生き残れるようになったんじゃないかな。スピードとかポテンシャルなら黒川(京介)には絶対に勝てないからね」

オートレースは、スピードだけじゃない。だからおもしろい。だから難しい。スタートした瞬間から8人が入り乱れて、攻防を繰り返して、そしてゴール線を通過して着順が決する。

今の若井は、えぐい。しぶい。したたかすぎる。相手を力でねじ伏せて勝つのが正統派のチャンピオンならば、若井は相手に決定打を許さず簡単には勝利を譲らない。

土壇場になればなるほど、若井の経験則と流麗なテクニックが侮れない。鮮やかに勝つんじゃない。負けない美学がここにある。

(淡路 哲雄)

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