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【報知提供】絶好調の中村杏亮「これだけ仕上がっている時に獲らないといけない」
あるいは海外のブックメーカーならば、決戦を間近に控え、鈴木圭一郎や青山周平を抑えてこの男を1番人気に据えるかもしれない。
それほどまでに今の中村杏亮は、無双モードまっしぐらだ。
あれは2日目のレースを圧勝した後だった。
3着に屈した佐藤貴也はあきれ果てた表情で言った。
「中村君はアホみたいに速いわ」
あの青山周平は「中村君はいま何歳ですか?」と尋ねてきたので27歳であると告げると、「う~ん、若い。あぶらの乗っている時期ですね」と警戒感を強めていた。
今年3月にGIIオーバルチャンピオンカップで地元グレードを初制覇した。
そして、今月16日。今度は山陽で令和グランドチャンピオンカップに勝利し、自身初となるGIタイトルをその手に収めた。
わずか数十日でGII、GIの勲章を抱きかかえた。
そして、今シリーズ。
いよいよSG初戴冠にいざ挑む。
「とにかくエンジンがすげえです。マジですげえです。クランク、ヘッド、シリンダーをいろいろ組み合わせて、試して、今の形ができました。
すると、本当にメッチャ動いてくれるようになりました。
ここまで師匠の久門徹さん、そばでいろいろ教えてくれていた重富大輔さん(昨年4月に逝去)のお陰で、少しずつ成長することができました。
当時、重富さんに教えていただいたことはその頃は完全に理解していませんでしたが、今になって頂いた言葉がだんだんとわかるようになってきました。
今はもう指導いただけませんが、これまで教えていただいたことを何とか結果にして、ご報告したいんです...」
飯塚エリアからSGウイナーが登場しなくなって久しい。
2001年デビューの27期生、荒尾聡を最後にSGを手にした若者はいない。
2017年に33期生としてデビューした中村には、その期待がとことん高まり切っている。
「ちょっと前なら、勝てたらいいなあとかそんな気持ちでしたが、今は違います。これだけ仕上がっている時に、獲らないといけない。勝たないといけないという気持ちでいます。
この前、あの永井大介さんに『スタートが本当に速くなったね!(課題は)スタートだけだったもんね』と褒めていただけました。
あんなにすごい選手からそう言われて、メッチャ自信になりました。
とにかく、結果が出てからすごく自信がわいてきて、自分でも乗っているのがわかります。スタートは行けたらラッキー。でも、行けなかったら追い込めばいいじゃんという気持ちで戦えているんです。
余裕はありませんが、いい緊張感の中で戦えているんですよ!」
中村はオートレースの大ファンだった。
「もしも、選手になっていなかったら、レース場に行ってレースを見ていたと思います。勝ったら、飯塚の街に繰り出して酒でも飲むかみたいな感じで過ごしていたんじゃないですかね。
そんな自分が今、すごい選手たちとSGを戦っている。もう、たまらんです!選手になって本当に良かったです!!」
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