【報知提供】クランク交換で復調の有吉辰也「オールスターが一番欲しいタイトル」

晴れよし、雨よし、ありよし。

今シリーズは天候、気温、走路状態が目まぐるしくチェンジしたが、乾いても湿っても有吉辰也は柔軟に対応し結果を収めた。
「初日（雨で８着）はセットの失敗でしたね。４日目（１着）の雨はエンジンが合って動いてくれましたからね」と、有吉は穏やかな口調でエンジン状態を話し始めた。
良走路の３日目も鋭い動きで快勝したが、その大きな要因をていねいに説明してくれた。

「ここしばらくはずっと状態が良くなかったんです。もう、何を調整してもだめでした。
原因がわからないまま川口へやって来たんですが、こっちに来て、クランクに傷が入っていることが判明したんです。
久門徹に相談して、新しい物に換えてみることにしたんです。川口に来てからクランクを急きょ買ったんですが、これが正解でした。
一気に動きが良くなって、すごくいい感じになりました。今シリーズはもちろんなんですが、今後のことを考えても、このクランク交換は大きいと思います。やっと、良くなかった原因がわかりましたからね！」

有吉にとって、オールスターのタイトルは別格だ。

「初めてＳＧを勝つことができたのがオールスターでしたからね（０８年）。
自分はまだ日本選手権とＳＳ（王座決定戦）を勝ったことがなくて、動画企画で『選手権とＳＳに勝ちたい』とコメントしたんですが、
よくよく思えば、自分はオールスターが一番好きで欲しいタイトルです。この大会が一番欲しいし、また勝ちたいなと思っています」

大きなけがを経験し、長期に渡って絶不調のスランプに陥ったが、Ｓ級にカムバックし、再びグレードレースを制し、ＳＳ出場も果たした。
大けがから立ち直り、あとはまたＳＧを制覇することができた時、本当の意味での有吉辰也完全復活ストーリーは完結する。

「本当にそれが叶えば最高ですね。もしも、またＳＧを勝つことができたら、自分は山口百恵さんになりますよ。
そっとヘルメットを置いて、普通のおっさんに戻ります」と静かにほほえんだ。
「はい、エンジンはいいです。スタートを行って、いい展開を作ればチャンスはあると思います」

予定していなかったクランク交換で、息を吹き返したキックアス号をしな～や～かに操って、ベスト８入りを狙う。