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【報知提供】メンバー唯一の3連勝をマークした鈴木圭一郎の武器、それは...
大みそかのベスト8入りを争うべく、SSトライアル3戦が終了した。
最終4回戦を前に、はっきりいえることがある。
鈴木圭一郎と青山周平。ふたりのスピードと仕上がりが一枚も二枚も抜けている。
これは今大会だけでなく、2020年の今年一年続いた傾向でもある。
両者ともにSGでのVはないが、青山が年間12V、鈴木が同10V。
大事な局面でふたりのチャンピオンが力を出し切りさえすれば、
それ以外のライバルたちとの力差は決定的ですらある。
差して、逃げて、鈴木圭一郎が負けなしの3連勝を決めた。
SSトライアル2回戦では3秒310の驚速時計も叩き出してみせた。
さらに同3回戦ではこちらもマッハ級の試走3秒23で疾走した。
ここまでの仕上がり、現況を鈴木に聞いた。
「エンジンはいいと思います。でも、3回戦ではちょっと軽い症状になっちゃいました。
それはエンジン音を聞いても、ああ、そういう症状になりそうだなあという予感がありましたからね。
重みがないので、後半に引き離せなかったんでしょうね。
そして、試走です。3回戦では3秒23も出ちゃいましたが、それも軽いエンジンの特性から来るものなんです。
軽いので、試走は出る。なんというか6周用の仕上がりなんでしょうね。
だから、スタートの持っていきもないんです。
う~ん、8周回に向いたエンジンに仕上がれば、試走は一番時計タイぐらいがちょうどいいのかもしれません。
6周回ならいい仕上がりだと思うし、もうこの状態で何もしなくてもいいぐらいです。
でも、距離が長いので、もっと重さが欲しい。
そこでメタルを換えてみます。メタルを換えて重みが出てくれば、追っていく足も出てくるでしょうし、
全部が良くなってくると思っています」
今節は出場16人に統一タイヤが支給され、決められたタイヤを装着してレースに挑んでいる。
普段の鈴木は後先を考えない。
その時点で最良と思われるタイヤを目先の一戦に惜しみなく投入する。
温存はしない。それがケーイチロー流儀である。
つまり、自身が所有するタイヤでの争いでは、どうしてもここ一番に向けて信用できるタイヤをストックする選手たちとの差が出てしまうことが少なくない。
しかし、今回は統一タイヤを同数与えられているので、「タイヤには本当に困っていません」と鈴木は言う。
「実はフロントはかなり跳ねがあるんです。1回戦からだんだんと軽減されてきましたが、それでもまだ前は跳ねています。でも、リアがいいのでそこまでの悪影響は抑えられています。
そこは統一のリアタイヤのお陰ですね!」
3連勝で満額ポイントをかき集めて、エンジン状態とともに今回はメンタル面も安定している。
「しっかり結果を出せているので、同じエンジン状態でも勝ち切れない時とは気持ちが違います。
結果が出ていないと、どうしてもエンジン状態に不安を持ってしまいます。
でも、今は心臓が飛び出してしまうようないやな緊張感はない。
4回戦は6枠ですが、むしろ内よりも外目でよかったなあと思っています」
無傷の4連勝、そしてSS完全Vへ。
仕上がるマシンに好タイヤと安定メンタルをそろえて、鈴木圭一郎が残り2日間に立ち向かっていく。
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