【報知提供】負けず嫌いの熟練レーサー「完調なら誰にも負けない」(金子大輔)

川口

若き頃、金子大輔はパンチ力ともろさが同居していた。
ライバルたちを圧倒するような試走タイムを叩き出すこともあれば、一転して肝心な勝負どころでミスを喫して好機を逃すシーンもあった。
しかし、デビューから15年以上の時が経過し、年齢も40歳を迎え、今、彼は芳醇なワインのごとく時間を掛けて熟練レーサーへと昇華していった。
準々決勝戦4Rを快勝したあと、金子は貫禄すら漂わせて言った。
「実際のところ、そこまで状態がいいわけじゃないんです。それはここ最近、ずっとなんです。
でも、こうして何とかしのいで勝ち上がれるようなったことは、経験を積んできたからだと思います。
例えエンジンが本調子じゃなくても、それなりには走れるようになってきたことは成長したところだと思います」
以前なら、エンジンが煮え切らないこうした場面では必ずギャンブル的な整備に打って出たのが金子だった。
「エンジンは平凡です。いいっすよ~!と威張れる状態ではないんですが、今は我慢の時です。ここで大きく換えすぎたりはしないようにしたい。欲を出しすぎてもっとだめにしてしまうことをこれまで何度も経験して学んだのでね」
ただし、ただステイするわけじゃない。
引き出しがあるからこそ、この状況でも辛抱できるのだ。
「タイヤですね。前回の報知杯(浜松)でいいタイヤを見つけたんです。このタイヤを履けば進むし、タイムも出る。
3日目のレースもそうでした。タイヤに助けられていいレースができましたからね」
そして、枠。準決勝戦10Rでは4枠に収まる。
「準々決勝戦も3枠だったのが大きかった。枠にも助けられましたね。自分なりにまたスタートは行けてきていますが、さすがに7とか8枠だと遠くて、例え同体でも内から突っ張られてしまいます。でも、この枠ならね...」
経験、タイヤ、そして枠。
場数を踏んで成熟したアダルティーな今の金子にとって、今回は大きな武器がいくつもそろった。
でも、最後は負けず嫌い選手権なら100年連続優勝できそうな男は、やや口をとんがらせて、やや小さい目を見開いて言った。
「でも、まあ、ベテランになったからといってまだまだ勢いがなくなったわけじゃないですからね!
これで、ちゃんとエンジンが仕上がった時の僕は負けない。完調なら誰にも負けませんから!今はただ我慢の時なんですよ!」
ファンと読者にしっかりと伝えておきます。

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