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【報知提供】大外8枠から勝利した中村雅人「エンジンは3回戦が一番良かった。それは間違いない」
まさか、じゃない。これが、マサトだ。
トライアル3回戦12R。あまりにもタフで過酷な大外8枠を中村雅人が完全耐久した。
こん身ダッシュで3番手に付けると、さあ追撃の態勢はここに整った。
業界有数のハンドルワークで前を突き進む黒川京介、佐藤摩弥を問答無用に切り裂いて先頭へ。トライアル3戦目にして待望の初1着を決めた。
年間ベスト8入りへのポイントも大量に積み上げて、いよいよ大みそかの最終12Rエントリーがその視界にはっきりとインした。
「あの位置から3番手まで行けちゃうなんてね。まさか、ですよね(苦笑いし続けながら)。試走(3秒25)が出たわけだし、エンジンも良くなっていました。調整して全体的に良くなりました。良くなければ無理することなくさばくこともできないわけだからさ」
さばきは最強。スタートは劣勢モード。これが中村の平常運行だが、今回は違う。
「結構、スタート練習に行っていますからね。この自分が(苦笑い)。いつもよりやっています。本当にたま~に切れるんですけれど、よく失敗もする。こういうのが本当に"ムラ"っていうやつなんでしょうね。というか、自分ヘタなんですよ、マジでね。手を上手に動かせないんですかねえ。だめですよねえ。ふぅ~(彼特有のボヤキ口調で)」
そして、いつも中村は言う。「ゼロメートルで並ぶなら、内なら少しは行ける可能性が上がりますよね」と。
トライアル4回戦の枠番抽選。中村は願ってもない3枠を引き当てた。スタート練習をこなし続け、エンジンを仕上げ、運も向いてきた。流れは一気に彼の元へ来ている。
「エンジンはトライアル3回戦が一番良かったです。それは間違いない。あとはエンジンを変調させないように、スタートで大きなミスをしないように、タイヤ選択を間違えないように。これをしのげば、ね。でもさあ、このしのぐっていうのが本当に難しいんですよねえ...」
最後は己にいい聞かせるように、「あと一戦。あと一日」と締めた。
仕上げて、切って、さばいて、しのいだ時。2010年、2013年に続く、3度目の戴冠が待っている。
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