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【報知提供】「エンジンは手前から奥まで全部がいい」長田稚也、SG初優出で大仕事なるか
たった2日前の11月2日に、23歳になったばかりのヤンゲストヒーローが、いよいよSGタイトルをつかみ切ろうとしている。
準決勝戦9Rで独走の1着ゴールを決めた長田稚也には、大仕事成就の予感しかない。
「いやあ、まじでうまく好位を取ることができましたね。エンジンは、もうマックスです!手前から奥まで、もう全部がいいですね!」とうなり切るロシナンテ号をランランとした目線で見つめ、ウキウキトーンで絶好調をアピールした。
8月のダイヤモンドレースでGI制覇を果たし、19年に34期生としてデビューして以来、わずか4年でタイトルホルダーとなった。
あれから数か月で、今度はSG奪取の絶好機が巡ってきた。
「自分は先輩たちに本当に恵まれています。大きいレースに出場し始めたころから、地元飯塚の荒尾聡さんや岩見貴史さんがよく声を掛けてくれて、全然さみしくなかったです。いろいろな先輩からアドバイスもたくさん頂きますし、なんか本当にありがたいですよね...」
よくしてくれる先輩として、真っ先に名前が挙がった岩見は長田のキャラをこう伝えてくれた。
「彼はかわいがられる性格をしていますからね。だから、いろいろな先輩が声を掛けるんじゃないですか。あとは、なぜだろう。マサヤはいい意味で全然緊張しないというか、いつも通りにやれるんですよね。
自分なんて今でも記念レースの優勝戦とかでスタート位置に就くときに、ありえないぐらい足が震えているというのに(笑い)。そういうところもマサヤはすごい。肩に力が入って、ガタガタになったりしませんからね」
当の長田は、あっけらかんとしてこう話した。
「何で緊張しないんですかね(苦笑い)。理由はわかりませんが、普段からしっかり練習して、経験して、その積み重ねが大きいんじゃないですかね、たぶん」
ダイヤモンドレースを制した瞬間、ゴール線をまたいだ後、長田はあまりにクールなガッツポーズを何度も繰り返した。初めてタイトルを獲得したというのに、そのポーズはとにかく様になっていた。
そして、ガッツポーズを決めた後、バックヤードに戻ってヘルメットを脱ぐと、今度はひと目を憚らず、大粒の涙をこぼしまくって、喜びを大爆発させた。
「ガッツポーズが格好良かった?それはどーも(笑い)。SGを勝ったら、またガッツポーズして、泣く?はい、泣いちゃうんじゃないですかね~。もちろん、SGは狙っていきますよ!でも、自分はまだまだただの通りすがりの選手ですからね。通りすがりのマサヤです(笑い)」
決戦の0メートルオープンラインには、最強の青山周平がいる。最速の鈴木圭一郎がいる。高橋貢、永井大介、有吉辰也。歴代のチャンピオンがいる。女王の佐藤摩弥も居並ぶ。
超ビッグネームたちを向こうに回して、23歳の通りすがりの快速ボーイが大仕事を成し遂げた時、業界の勢力図は、ここに大幅に刷新されることになる。
令和の新モンスター誕生の瞬間は、もうすぐそこまで迫っている。
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