【報知提供】4戦3勝の中村杏亮「今回に向けてパーツに投資。楽しみしかない」

浜松

大会4日目の12Rは「スーパーライダー戦」が番組された。

予選3日間の成績優良者8人が集結し、このレースに駒を進めた者は、準決勝戦進出への視界が大きく、大きく開けることになる。

開催がスタートした初日だった。中村杏亮は8Rを快勝した。いきなり好結果を引き寄せ、中村は笑顔いっぱいにこう言った。

「これでスーパーライダー戦に行けるチャンスが増えましたね!まじでうれしいです!」と。

実績と経験豊富なベテラン、超一流レーサーもこの一戦へのエントリーをまずは目標とする。ここへたどり着けば、勝ち上がりが容易になる。

つまり、来るべき、セミファイナル、そしてファイナルへ向けて、エンジンとタイヤストックに余力を作ることが可能となる。

ロングランの6日間バトルをどうしのいで、どう耐久して、どう生き残り、勝ち上がっていくのか。ベテランはその戦術を頭で体で理解している。

しかし、まだSGタイトルに手が届いていない若手は、百戦錬磨の先輩と同じように先を見据えての戦略は必ずしも大正解とはいいにくい。

余裕で構えるのは、実績満点の超大物の所作である。勢いある若手はまずは目先の一戦に全力投球。余力残しの先輩たちをまずは"前哨戦"でやっつける。それぐらいの心構えと覚悟なくして、ビッグタイトルには手は届かないものである。

ああ、せっかく威勢のいい中村が勝ち上がりに有利なスーパーライダー戦に乗って、ある意味、置きに行くようなシナリオを描いているなんて。

個人的には少しもったいない気もしたが、その後の中村の言葉は痛快の一言だった。

「ボクはスーパーライダー戦に乗りたい。理由ですか?だって、賞金(1着56万円)がメッチャ高いじゃないですかあ~。同じレースで勝つなら賞金は高い方がいいに決まっているじゃないですかあ~。

先輩たちはまだ先を見ていると思うので、そこで自分はメイチの勝負にいって、賞金を奪ってきます!ここで先輩たちをやっつけて、精神的にも優位に立ちたいんですよね!」

あっぱれ、男アンリョー。それでこそ、イケイケ、ドンドンのスーパー快速野郎である。

「今回に向けて、マジで自分はパーツに投資しました。クランク、ロッド、ピストンを新品にして、最近ケースも新しくしました。もう、課金制ゲームみたいなもんですよ!(笑い)。

でも、そこまでやらんと先輩たちには勝てませんからね!ここ何節かは稼いだ賞金のほとんどは部品代で消えました。全然、家にお金を持って帰っていないんですよお(苦笑い)。それでもいいんです。たくさん設備投資して、たくさん取り返せばいいんですからね!」

その言葉通りに、ここまで4戦して3つも勝利を得た。賞金をガバガバとその手で鷲つかんだ。

彼は豪快だ。酒席ではグラスを空けまくり、趣味のボートレースでは「大勝負しないとつまらないでしょ~」と大枚を張る。

たくさん稼いで、たくさん使って、また稼いで、とことん人生を謳歌する。それが痛快アンリョーの生きる道である。

「浜松に来る前に、嫁から"今回は稼いできてね!"と言われています(苦笑い)。嫁には好きにさせてもらっているので、彼女にもいい思いをさせてあげたい。

そのためにもマジで頑張りますよ!人間もエンジンも成長していますし、楽しみしかありませ~ん!!」

(淡路 哲雄)

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