【報知提供】荒尾聡、ホームSG制覇へ「ここまで来たら気合だよ」

飯塚

オートレースはフランチャイズ競技である。
地元所属の花形スターがV戦にエントリーすれば、それが何よりの盛り上がり要素となる。飯塚決戦の出走メンバーに彼の名前があるだけで地元ファンの熱狂は違うものとなる。

準決勝戦10Rで荒尾聡が2着ゴールを決めた。ホームコースの10周回に筑豊の総大将が登場する。飯塚ファンの期待をパンパンに背負って。
「準決は疲れました。疲れ果てましたよ。エンジンは出よらんのに、よう乗れましたよね」
地元SGのベスト8入りに重責を果たした荒尾は心の底からホッとした表情を作って、自身の奮闘を労った。

いま、飯塚のヤングライダーたちの進化、成長が目覚ましい。
惜しくもV戦には進出できなかったが33期生の中村杏亮、34期生の長田稚也など、次世代のエース候補が続々と頭角を現してきている。
「本当にそうですよね。飯塚から若いやつが出てきてくれて、それがね、自分は本当にうれしいんですよ。いつまでもベテランばかりじゃね。
でも、まだもうちょっと自分も頑張りたいよね。自分が飯塚のエースだなんて、まだ荷が重いです。
自分の憧れは有吉辰也さんです。大きなけがから復活して、支部長の仕事も兼任して、レースで結果を残す。しかも、人間性が最高に素晴らしい。
そんな存在に自分もなれたらいいんですけれど、有吉さんはすごすぎますね!」

本人は謙遜を強めて、そう言ったが、いま、飯塚をフロントランナーとしてけん引しているのは間違いなく荒尾である。ロッカーでも後輩の面倒をよく見る。彼を慕う若手は本当に多い。
「キョウスケ(中村、準決勝戦9Rで1着もフライングで勝ち上がれず)もきっといい経験をしたんじゃないかな。自分も若手に負けないよう、もうひと花咲かせたいよね。最後のローソクみたいに(苦笑い)」

さあ、地元ファンの前で、彼を慕う後輩の前で、ホームSG制覇はなるか。
荒尾はすっきりした表情でこう答えた。
「優勝戦に乗れましたからね。ここまで来たら気合だよ!気合でスタートを切って、トロフィーを持って、気持ち良く家に帰りたいなあ~」

(淡路 哲雄)

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