【報知提供】愛車が整わない鈴木圭一郎、ダブル3連覇にむけて「最後まで何かやってみる」

飯塚

前検を含めて6日間。
エンジンをいじり回して、あらゆるパーツチェンジに着手し、高品質な性能を求め続けたが、それでも愛車は整わなかった。
もう、人間が何とかするしかない。

準決勝戦11R。
雨の大混戦を鈴木圭一郎が制した。
内から、外からライバルたちが襲いかかってきたが、四方からの総攻撃を何とか耐久し切って優勝戦進出を果たした。
ここに大会3連覇へ王手を掛けた。

「う~ん、本当にいろいろとやっているんですよ!でも、出ない。手前が出ませ~ん(あきれ笑いしながら)。レースも本当に厳しかった。きつかったですよ。誰かのバイクに乗っているのかと思ってしまうぐらいでした。走っていてきつくて、もう息と心臓が止まりそうでしたあ~。
バイクを検査場に出す時は納得の表情をしていた?
いえいえ、納得していたような顔をして周りを安心させただけです(苦笑い)。まだまだ本当に全然納得はできていませんよ」

セミファイナルは、頼れない相棒の代わりに、己の技量とテクニックをフル稼働して、8周回を耐え切った。
激闘の後、圭一郎はしみじみと言った。
「いつもなら何をやったら良くなるのか、わかっていて作業をしていますが、今回は本当にわからないんですよね。とりあえずケースを新品にしてみますが、どうなるか...」

刻々と時間は経過している。
日本一の整備達人は、まだ明確なアンサーを見い出せないまま、本番まで最後の仕上げに取りかかる。
「もうですね、今のままなら優勝戦で走りたくないです(苦笑い)。この大会の3連覇もそうなんですが、SGの3連覇もダブルで掛かっているんですよね。今は笑えるような状況ではないんですが、まだ時間はある。
何かやってみます。最後までやって、最後に勝って笑うことができたらうれしいんですけれど...」

難しいパズルを差し出された時ほど、彼の頭脳は働く。感性は研ぎ澄まされる。
会いたくて、探したくてたまらない「手前の足」を手にできた時、オールスター3連覇とスーパースター王座決定戦、全日本選抜に続くSG3連覇のダブル成就はここに叶う。

(淡路 哲雄)

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