【報知提供】5日間かけて愛車を仕上げた鈴木圭一郎「あとは12Rの時間帯にどう合わせるか」

川口

有り余るスタミナと尽きない根気。そして、時間。
すべてをフルに絞り切って、ついにエンジンパワーをも絞り出した。
鈴木圭一郎が準決勝戦11Rを爆走した。
試走3秒27の快ラップを叩き出し、本番でも数字通りの迫力を披露して、ライバル7人をねじ伏せた。

「やっとですね!トルクが出てエンジンは最高です!ギリギリセーフ、何とか間に合いましたよ!」
レース後、勝者は充実感と達成感をミックスして、喜びの声を発した。

セミファイナルを迎える前は、4戦1勝。3日目の一本しか1着ゴールはなかった。
なかなか噴かぬ愛車に、連日手を加え通した。
実績あるクランクを投入し、ケースを新調し、ロッドを改めた。
一度は新品ヘッドを搭載したが、思うような成果に恵まれず、再び乗せ換えた。

「24日に浜松で優勝した時と同じパーツはヘッドだけです。
あとは全部変わっちゃいました(苦笑い)。でも、今回は本当にいろいろとやりましたよ!
そして、やっといい音が出た。持って行きも出たからスタートも行けましたし、レース足も出ましたね!」
連覇を狙って川口インしたが、なかなか本来の強烈な動きを引き出せなかった。

しかし、風は圭一郎になびいた。
そう、今シリーズは業界初となる6日間のロングラン開催でスケジュールは進行した。
普段より、一日多い猶予タイムを鈴木は有効に大切に使った。

「自分は物を直すのは好きなんです。だから、すごく楽しかったですよ。
でもね、すご~く疲れましたあ~(苦笑い)」
そして、しみじみと続けた。

「やっぱり、ガムシャラに整備はした方がいいんですかね。
あまりに調子がいいとなかなかやれませんが、今回は本当にガムシャラにやりました。
最後は中山光のアドバイスでケースを新品にしましたが、それも良かったんでしょうね!」
体力と時間を使えるだけ使って、大事な局面を目前にいよいよ愛車は仕上がった。

「はい、これで戦えるところまでは来ましたね。
連覇ですか?獲れておかしくない状態だと思いますし、全然あると思います!」
昨年に続くオールスター制覇へ、鈴木の視界と表情は一気に明るくなった。

「あとは12Rの時間帯にどう合わせていくかですね。今回は雨の初日(6着)しか最終レースを走っていないので、そこをクリアできれば...」
最強スターのオールスター制圧は、もうすぐ目の前まで迫っている。

(淡路 哲雄)

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