【報知提供】高宗良次、先輩達のヘルプをアシストにいざ大一番へ

川口

ひとつ、ひとつ、新たなステージを体験し、大事な局面を経験して、若武者は本物の実力者へと進化していく。
今、その過程のど真ん中に高宗良次がいる。
準決勝戦12R。
道中は厳しい5番手のポジションを進んでいたが、13年にデビューして以来、この男はどんな時も諦めず、腐らず、粘り強く働いてきた。
その生き様のままに前を懸命に追い続け、奇跡は起きた。
最終周回。すぐ前を進んだ田村治郞と浦田信輔がもつれ、流れたところをスルリと切り抜けて3番手へ。
そのままゴール線を通過した。
本来なら自身初となるSG初優出にはわずかに届かないところだったが、1位入線の青山周平が道中のファールで黒川京介、佐藤貴也、そして佐藤摩弥までをも落車させてしまい、失格処分に。
繰り上がって高宗が復活当選の形でベスト8にその名を刻んだ。

「僕らしいレースだった?はい!本当にそう思います!
もう120%の力で追っていましたが、うまく着順を上げてゴールすることができました。
本当に諦めなくて良かった。いつまでも思い出に残りそうなレースになりそうですね!」
そして、状態を同じ飯塚所属の先輩たちへ報告する。

「雨なら悪くないと思います。でも、良では少し足りない気がするんです。とりあえずリングは交換しようと思っています」
それを黙って聞いていた久門徹が初SG優勝戦に挑む高宗の背中を強烈にプッシュした。

「良で足りんとわかっているなら、ここは(整備を)やらんと!
少しでも勝つチャンスがあるなら、やれることはやろう!
もしも、やってだめだったとしても、ラッキーで優勝戦に乗れたんだからね。
いいか、勝つチャンスがある限りは全部やるんだ。それでだめなら仕方ない」
高宗は意を決したように、何度も大きくうなずいて「はい!やってみます!新しいクランクを入れます!」
それを聞いた久門は本人の高宗よりも先に工具を握ってアシスト作業に入った。

それに追随するように飯塚の整備巧者たちが続々と集まり、高宗のマシンに手を加え始めた。
この突貫メンテが必ずしも吉を呼び込むとは限らない。

しかし、業界の頂点にそびえ立つためには、ステイ一本の守りの姿勢ではなかなか実現しない。
一か八かの大勝負。コース上での戦いの前に、もうすでにバックヤードで火ぶたは切って落とされた。

さあ、高宗よ!エンジンを激変させて、一気にてっぺんまで駆け抜けてみせろ。
先輩たちの助言とヘルプをアシストに、大一番へいざ挑む。

(淡路 哲雄)

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