鈴木圭一郎 INTERVIEW

今年はSG4連覇という史上初の快挙を成し遂げました。改めてその心境は

4連覇出来るとは思っていなかった。しかも、あんないいレースでSGを取れたのはすごく自信につながるし、うれしいことです。スタートで行って逃げるだけでなく、スタートで行けなくてさばいていく形になり、道中抜きつ抜かれつになって最終的に勝てて。見ていてとても面白いレースだったと思う。

5連覇出来なかったことで変わった面は

ないですね。これといった目標は持っていない。その時その時でいいレースが出来ればいい。また、（5連覇）挑戦できたらしたいという楽しみはあります。

勢いが落ち着いてやりやすくなった面は

5連覇がかかっていた時も、そこまでの緊張感がなくレースが出来ていた。連覇が途切れたからといって楽になったことはない。

連覇の間はずっと同じこと（整備やレースへのルーティン）を行ってきたか

レース直前の試走路で音を聞いて納得のいく音が出るまで、ぎりぎりまで整備を続けて出来る限りのことをしている。今でもやっているので今後も続けていきたい。

SGへの臨戦過程は

優勝戦は10周戦になる。10周回持つエンジンをつくるのが少し分かってきた。SG初制覇の1つ前のSGで、中村雅人さんの後ろを走っていて自分は8周ぐらいから苦しくなったのに、雅人さんは楽そうに走っていた。こういうエンジンをつくらないといけないと...。10周戦、8周戦、6周戦で少し音を変えた方がいいと。それが少し分かってきた。

トップクラスの1人となって心境の変化は？　

特にない。以前から先輩たちにどうしているのか、とよく聞かれる。聞かれたら素直に教えられる範囲で分かる範囲で教えるようにしている。逆にアドバイスをもらっている。

周囲の選手からマークされている空気を感じるか

マークされていますよね（笑い）。前回のレースを見ても。新聞を見たりインタビューを聞いていても自分の名前が出てくる。うれしいことです。

最近になって乗り方を変えた面はあるか

雨走路の乗り方を変えている。同期の吉原は雨で断然速い。雨は吉原に聞いて逆に晴れは吉原が聞く。雨は前荷重で、晴れは後ろ荷重で乗るようにしている。

レーススタイルは変わってきたか

だいぶ変わっています。最初内を使えないで外を回っているだけだった。最近はエンジンのつくり方も内をさばいていける仕様になっている。楽にさばいていけるようになってきた。でも、それだけでは（スタート位置が横並びの）オープン戦だと通用しない。1級車に乗り始めたころの気持ちとエンジンの雰囲気を思い出して初心に帰らないといけない。

賞金をどう使っている

賞金はオート以外には使えないですよね。貯金するお金もない。オートのためならいくら払ってもかまわない。自分は気になる部品があるとすぐ換える。部品交換に費やして完全優勝した平場開催の時は、新人より少なかった。

身につけたいテクニックはありますか

すべてが備わればいいですよね。レースを見ていてすごいと思った選手のすごいと思う技をすべて身につければ、いままでいなかった選手になれると思う。

日本選手権、ＳＳ王座決定戦への抱負は

いままで以上にいいレースが出来ればいい。別に勝とうとは思っていない。いいレースが出来れば勝てるわけだし。

浜松に移籍して良かったことはありますか

お客さんがすごく受け入れてくれた。自分に「浜松に来てくれてありがとう」と表彰式で言ってくれた。外を回れるので走路もいいですね。

狙ってみたい記録は

記録には特にこだわりはない。優勝戦に乗ってスタート位置についたら忘れている。そこで忘れていないと自分はフライングを切るタイプ（笑い）。でも、10連勝はしてみたい。まだ10連勝したことがないので。あとG2がほしい。いま取っても何の記録にも残らないが、自分の中では早く取りたいと思っている。

オートレース発展のためにしていきたいことは

いっぱいある。ファンにもっとオートの難しさを知ってもらいたい。何で内が開いているのに入らないのか、お客さんが納得出来るように話したい。場外が増えたのはいいことだけど、場外の近くにレース場がない所。例えば大阪。自分が競走車を持って回って難しさを説明したい。