AUTORACE.JP
アーカイブ

オールスターオートレース展望

 最近、リベンジという言葉をよく聞く。本来はそう簡単に使う言葉ではない。仕返し、復讐なのだから。しかし、スポーツ界での用語は1度敗れた相手に借りを返すというソフトな意味合いがある。そして、それは1度失敗したことを今度はしっかりやりきるということでもある。

 第35回オールスターオートレースは4月27日から5月1日まで飯塚オートレス場で開催する。リベンジ―。この言葉ほど、飯塚オートの選手にとってぴったりくるものはない。今年の飯塚開催のビッグレースは1月開設記念・青山周平、2月全日本選抜・中村雅人が優勝。2016年早々の飯塚ビッグレース2つの優勝を外来陣にさらわれた。浦田信輔、荒尾聡らは歯ぎしりをする思いでその事実を受け止めた。今回オールスター、今度こそ!の思いは強い。なかでも浦田は前回覇者でもある。このところは仕上げ切れない愛車に不安は隠し切れないが、気温の上昇とともに上位級との差は縮まる。まして、地元という大きなアドバンテージ。ここ一番の集中力は他を圧倒する。1000勝、優勝100回超えのダブルの栄光はダテではない。今年3度目の地元ビッグレース、エースが覚悟の参戦となる。

 爆発力では荒尾。作年の山陽SP王、抜群タイムでぶっちぎりV。先の全日選はその爆発力に地元の期待が高まった。しかし、優勝戦は変調して④着止り。その次の節、一般戦とは言え、3・347という超抜タイムで2着鈴木圭一郎を30㍍ちぎったレースはいかにも皮肉だった。しかし、型にはまったときの荒尾は強い、速い。

 しかし、遠征陣は強い。一に、昨年、連勝記録を更新してMVPに輝き、今期ランク1位の中村雅人。二に、先の船橋ラストのプレミアム、感動のVを飾った永井大介、三に、昨年スーパースターでSG初戴冠、しかも飯塚ビッグレース①②の青山周平、四に、当地5連続優出中の金子大輔、五に、史上最年少のGⅠ優勝を飾って波に乗る鈴木圭一郎、六に、ここ一番に往年の輝きを見せる王者・高橋貢。木村武之も今年の当地開設記念②があり、侮れない選手の1人だ。

 今年早くもSG全日選、浜松GⅡとグレードレース2Vを飾る中村雅が昨年を彷彿させるVロードをひた走る。なんと言っても大崩れしない安定感はまさにナンバーワンの輝きがある。ここ飯塚でも一昨年の日本選手権から今年の全日選までSG2VにGⅠ1回の優勝と相性も半端ではない。まぎれもなくV候補最右翼として初日からビクトリーロードをひた走る。永井は船橋ラストのプレミアムVに見るように魂の走りが身上。今回のオールスター出場権はファンの後押しによるもので、常に「ファンの心に届く走りをする」と言い続ける永井には負けられない一戦となる。

 青山は今年に限っても開設記念①、全日選②と飯塚の実績はピカピカ。そして船橋プレミアムを見ても、最後まで永井と互角戦を演じた力はトップ級だ。今回のオールスターでSG2Vへ突進か。金子も実力者。昨年の全日選でSG2回目の優勝。ここ飯塚でも一昨年のダイヤモンドVから5連続優出中と好相性だ。しかも、今年の全日選は苦しみながら優出。優勝戦は気配が一変していただけにSのアクシデントがなければ優勝争いは必至だった。勝負強さが見逃せない。きらめく星が鈴木圭だ。3月、川口の開設64周年記念、史上最年少GⅠVをやってのけた。とにかく、そのスピードが出色だ。3月プレミアムカップ優勝戦もただ1人、3・25の超抜試走。展開悪く⑥着だったが、限りない可能性を秘める新星がSG戴冠も絵空事では決してない。

 王者・高橋貢もここ一番、集中したときの強さは往年の輝き。今年は船橋GⅡも勝っており、つぼにはまれば底力を発揮する。もう1人、先の伊勢崎GⅡで船橋選手としては最後の走りで約2年10ヶ月ぶりに優勝を飾った池田政和に復活の兆し。SG8Vの実力者が川口移籍で心機一転、息を吹き返しそうな気配が漂う。

日刊スポーツ 特集

SPECIAL CONTENTS
  • 日刊 PDF新聞
  • 日刊 直前予想





メニュー

MENU


インフォメーション

RACE INFORMATION