●高橋貢(たかはしみつぐ) 伊勢崎オート所属・22期。昭和46年6月14日群馬県生まれ。B型の双子座。173cm、56kg。平成8年の獲得賞金総額4,513万円。最優秀新人賞(平成3年)、最優秀新鋭選手賞(平成6~8年)など受賞歴多数。今春の「SG第16回オールスターオートレース」でSG初制覇するなど、人気、実力、将来性で今や自他共に認める伊勢崎のトップレーサー。97年3月に結婚。 今年5月の「SG第16回オールスター」で、20期以降としては初めてSGを制覇。“ポスト片平の筆頭”という声や『巧・貢時代』の到来を予言する人も少なくない。 船橋勢優位の現状を打ち破る本命として熱い期待を担う伊勢崎の若き狼は、そんな周囲の思惑をよそに、今日も淡々とサーキットを駆ける。 手元に1枚の書類がある。日動振が集計したオートレース登録選手の個人成績資料で、選手ごとにデビュー以来の入着歴や落車、反則、故障歴など各種データが記載されている。これを見ると高橋貢の9月4日現在の通産出場回数は722回、このうち1着が211回、2着が113回、3着が78回で着外は293回となっている。ということは1着の勝率がおよそ30%。連勝に絡んだのが45%。全出場回数のうち56%以上のレースで3着まで入った計算になる。この数字が意味するものは、おそらく彼のライバルたちが最もよく理解していることだろう。 この連載の第1回、創刊号の巻頭に登場した影山伸(川口22期)がインタビューの中でこう語ったことが思い出される。 「自分は知名度も実力もまだまだだけど、同期では貢(高橋)が、もう全国区でしょう」 事実この発言の翌月、高橋はSGオールスターに優勝。その実力を全国のオートレースファンに印象付けることで、影山の評価を裏付けた。しかし高橋自身は自らの実力をどう認識しているのだろうか。そんな疑問を旨に、残暑厳しい伊勢崎へと向かった。 |