SPEED STAR リターンズ!Vol.01 97年6月発行 |
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●影山 伸 (かげやましん) 去る4月15日。レース場内のツツジの花が ピンクに色づきはじめた川ロオートで、埼玉県 知事賞の優勝戦が戦われていた。22期影山伸は、この決勝レースに進出を決めている。 直前の第10レースの発券締め切りを告げるアナウンスが場内に流れるころ、決勝出場の選手たちは、ロッカーにある下見室で、自分たちの出番を待っていた。.雑誌のページをぱら ぱらめくる選手、ヘッドホンステレオに聞き入る選手、そして隣同士でボソボソ話込む選手たちなどの間で、影山はひとりヘルメットを膝 に置いた姿勢で、宙を睨み黙って座っている。 「出走前ですか?『一生懸命走ろ~』とか考えてるか、それとも寝てるか(笑)、イヤ、ボ~としてますよ、はじめのうちは。ブザーが鳴ってから、ヨーシって感じ。待機中に本は読みません。大嫌いなんです。漫画も読まないんですけど、たまたま20歳ぐらいのころに、人生ってなんだろって時期がありましてね。笑わないでぐださいよ。ゲーテなんか読んじゃくもう親に気持ち悪がられちゃって『シン!やめなさい』なんて(笑)」 選手たちそれぞれの愛車も、下見室前のガレージに並び、特製ヒーターでタイヤを暖めながらエンジンの始動を待っている。影山の愛車『ゴウワン』もその列の中にある。 「昔たまたまオートレースマガジンを読んでいたら、『豪腕なんとか』って書いてあって、あっ“豪腕”ってカッコイイな~って思ったんです。それで、ゴウワンでいいか、と。そうそう同期の貢(高橋・伊勢崎22期)はカイワンね。あの野郎マネしやがって(笑)」 |
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