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  浜松オートレースについて(日本小型自動車振興会の意見)

日本小型自動車振興会理事 瀬戸比呂志

 日頃オートレースを御愛顧いただきまことにありがとうございます。
 さて、浜松オートレース事業の今後については、お客様から9万名近い存続のための署名をいただき、本当にありがたく感謝しておりますが、その後も浜松市において様々な検討が行われ、それが日々報道されることにより、お客様には更に御心配をいただいております。私どもオートレース事業に携わる者も、当事者不在のまま議論が早期廃止に向け急転していることに大きな不安を感じております。

 そこで、10月7日に当会の堀田会長から浜松市をはじめ関係の皆様にお願いをし、また11月1日の浜松市オートレース事業検討委員会でも御説明させていただいた「民間委託による浜松オート存続について」の文章を改めて披瀝し、当会の考え方を幅広い関係者の方々に知っていただきたいと考えました。

 浜松オートレース事業については、現在まで、浜松市民からの税金で赤字を補填していただいたことはありません。そして、今後もそのようなことが起こらないよう、全ての経営リスクを負う形での民間委託により事業を存続いただけないかとのお願いをしております。

 全国6場しかないオートレース事業では、1場の撤退は事業全体に深刻な影響を及ぼします。オートレースに人生と生活がかかっている者に、浜松オートの経営を一定期間任せていただけないでしょうか。その間の経営リスクは全て負い、浜松市には御迷惑をおかけしませんという御提案です。仮に民間委託後の経営が思わしくなく撤退に至った場合でも、浜松市にとっての撤退コストは、下がることこそあれ上がることはないと考えます。
 「地方公営競技」という現在の制度的枠組みの中で、それは包括的な民間委託という形でしか実現できません。その包括的民間委託が絵に描いた餅にならないように、日本トーター株式会社に御協力をいただき、同社から具体的な提案もしていただきました。浜松市が包括的民間委託の公募を御決断いただいた時には、少なくとも1社は確実に手をあげていただける状況です。

 当初、「市民からの税金でオートレース事業の赤字補填はできない。」というところから出発した検討に対して、私どもは、具体的に浜松市に御迷惑のかからない提案をさせていただきました。にもかかわらず、早期廃止に向けた議論がなされていることは、本当に残念です。関係各位の御理解をいただき、民間委託による事業存続が図られることを希望してやみません。



民間委託による浜松オートレース存続 について


平成17年10月7日
日本小型自動車振興会

1.施行者業務の包括的民間委託案

浜松オートレース事業を包括的な民間委託により存続させることを提案いたします。

具体的には、浜松オートレース事業の施行者である浜松市が、小型自動車競走法第4条の規定により、平成18年度から、例えば7ヵ年の間、事業を包括的に日本トーター㈱に委託します。当会は、委託された事業が円滑に進むよう、責任を持ってオートレース事業全体の運営にあたります。
委託内容等の詳細は、相互の交渉次第によりますが、そのポイントは、以下のようなものとなります。

(1) 委託の範囲は、小型自動車競走法上の施行者固有業務及び小型自動車競走会のみに委託可能な業務を除く全てとします。したがって、基本的には、施行者の委託を受けた日本トーター㈱が、自らの名と責任において事業を実施することになります。

(2) 経営リスクは、日本トーター㈱が全面的に負います。具体的には、日本トーター㈱は、毎年度、売上げの一定率の金額を施行者の収益として支払うことを基本とし、売上げが低い場合であっても最低保証金額を支払うこととするので、施行者に損失が生じることはなく、委託期間中、一定額以上の地方財政への貢献が担保されます。

(3) 当会は、浜松オートレースを含むオートレース事業全体が存続・発展し、地方財政への貢献等の事業目的を達成できるようにするため、引き続きオートレース活性化のための諸施策を実施するとともに、必要に応じ、開催日程の調整、選手制度・賞金制度の見直し、関係各機関の合理化等を行います。

2.民間委託の利点

(1) 民間委託のメリットは、以下の三点です。
① レジャー産業に関する民間企業のノウハウが活用できる。
② 公的予算にしばられない民間投資資金を呼び込むことが可能になる。
③ 実質的な経営主体が代わることにより、従来のしがらみを断ち、経営を刷新できる。

(2) レジャー産業間で厳しい競争が行われている現在では、オートレース事業を含む公営競技は、決して容易なビジネスではなく、職場の異動を前提とする市職員の方々に経営を担っていただくには適さない状況になっています。特に、
① 顧客のニーズから発想して、弾力的に、しかも迅速に経営戦略を考えなければならず、公務を的確に遂行するという発想で経営を行っているのでは、顧客をつなぎとめられないこと。
② 経費節減は、従来の経費構造をそのままに、積上げ計算で最低限これだけは必要になるという発想ではなく、利益を確保するためにはこの水準に抑えなければならないので、そのために仕事の体制、やり方をどのように変えていくかという発想で、取り組むべきものであること。
③ 経費節減だけではビジネスとしての将来展望を切り開くことはできず、投資を行い利益を上げて、その利益を更なる投資に充てるというサイクルを確立する必要があること。
などレジャー事業経営に求められる要件を満たすためには、やはり、公務員が経営から手を離して民間企業に任せることが適切であると考えられます。

(3) もとより、経営判断・投資判断にはリスクが伴い、判断を誤り損失が発生する場合もあります。今回の包括的民間委託案では、そのリスクを日本トーター㈱が全面的に負い、施行者に損失が生じることはありません。

(4) 包括的民間委託により事業を継続する場合であっても、施行者には、従事員の整理等のコストが生じます。しかし、これは撤退する場合にも必要となるコストです。なお、雇用確保の観点から、日本トーター㈱は再雇用に積極的に取り組む考えですので、撤退の場合より従業員へのインパクトは軽減されると言えます。
 また、万が一民間委託後の事業運営が思わしくなく契約期間満了後に日本トーター㈱が撤退し、施行者としても撤退する場合であっても、その時点における浜松市の撤退コストは現時点より減少することこそあれ、増えることはないと考えられます。

(5) 日本トーター㈱は、岸和田競輪場、サテライト会津(競輪場外車券売場) で施行者業務の受託の実績があり、また、船橋オートレースの施行者においては、同社を念頭に平成18年度からの包括的な業務委託を準備中です。更に、同社は、現在浜松オートレース場の投票系コンピュータシステムの運用を担っており、浜松オートレースの施行者業務を包括受託する意思を有しています。もちろん、同社の他に同じような条件で浜松オートレース事業の受託を検討する企業があれば、同様に選択肢たり得ると考えられます。

3.浜松オートレース事業の今後の見通し

(1) 民間委託効果
 民間委託後は、売上げに応じたきめ細かな従事員の出勤ローテーションや自動発払機の導入による車券発売経費の削減をはじめ業務運営全般を見直し、経営はより一層効率化します。また、冷暖房設備や雨風をしのぐための施設の拡充、お客様のための机・イスの改修等により、明るく快適なレース場とすることも考えられます。このような合理化、顧客サービス投資により、経営の合理化と売上げの向上が期待できます。
 ちなみに、既に施行者業務の全面的な民間委託を実施している桐生競艇場においては、受託企業である関東開発㈱が、約80億円で特別観覧席を含め約7000人を収容し、在席投票システムを備えた空調完備の新設スタンドを建設するとともに、徹底した顧客サービスを行い、競艇場の面目を一新して、好調な業績をあげています。

(2) 構造改革効果
 本年度9月末までのオートレース事業全体の売上額を見ると、総売上げは前年比102.4%、1日あたりの売上げは前年比123.0%であります。各施行者の収益については、実績把握が遅れますが、全体として大幅に改善し、浜松市においても、8月まで黒字となっているとうかがっております。まだ5ヶ月の実績なので即断はできませんが、全体の開催日数を減らして場間場外発売を増やすことや、賞金削減などの構造改革の効果が現れて、従来の急速な売上減少と収支悪化のトレンドに、下げ止まりの方向が見えてきたことは確かであると考えられます。

(3) 売上拡大対策効果
 当会では、平成18年度から新しい投票系システムを導入して、ネットバンク投票、クレジットカード投票、電子マネー投票の導入やインターネットを通じた情報提供の充実に取り組む等、インターネット及び携帯電話投票を中心にオートレース全体の売上拡大を図ります。
 また、当会では、本年度から個別のレース場ごとにきめ細かな対応を行うために、レース場ごとに2名の担当者を置き、施行者、選手会支部、競走会等と一体となって、売上げ拡大策、経営の効率化対策に取り組んでいます。
 売上拡大策の具体例をあげますと、浜松オートレース場では、5月のG1ゴールデンレースの表彰式を、特設ステージにおいてお客様と一体となって実施し、シャンパンファイトを行いました。お客様と一体型の表彰式は他のレース場でも採用され、業界スタンダードになりました。また、8月には、試走時にお客様が御自分の愛車(二輪) で選手を誘導する企画を実施したところです。
 更に、9月のSGオートレースグランプリにおいては、「世界の縁日通り」、「モトライダー・スライドバトル」などの企画に加え、決勝戦に先立ち国歌独唱やラジオDJによる選手紹介を実施しました。
 今後とも、お客様に喜んでいただける企画等を着実に実施して、お客様の誘致、売上げの向上につなげていきます。

(4) 以上のような、①民間委託に伴う合理化、顧客サービス投資、②構造改革の効果、③オートレース事業全体及び浜松オートレース場独自の顧客サービスの充実施策等により、今後、浜松オートレース事業の売上及び収益は着実に増え、長期安定的に浜松市の財政に貢献できるものと考えます。
 なお、当会としては、経営をより一層安定させる観点から、小型自動車競走法に定められた交付金率の引下げを経済産業省に要請しているところです。

4.最後に

(1) このたびの構造改革により、当会は今年度3割の役職員削減、競走会は統廃合とこれに伴う人員削減を行いました。選手賞金は2割以上カットされ、1割以上の選手が退職し、退職選手のための年金制度も廃止しました。このように多くの血を流すことになる厳しいリストラを実行したのは、オートレースに人生をささげ、生活をかけている者として、何としてもオートレース事業を存続させたかったからにほかなりません。その構造改革がスタートして半年足らずで、しかも収支が黒字化しているにもかかわらず、廃止が議論されることは、本当に残念なことであります。

(2) 全国に6場しかないオートレース事業においては、6つのレース場全てが掛け替えのない存在です。構造改革の目的は、6場そろって生き残ることにほかならず、業界が一丸となって構造改革に取り組んできました。6場のうち1場でも撤退することとなれば、他の施行者のみならずオートレース事業全体の存続に深刻な影響を与えることは明白です。

(3) 現在浜松市では、オートレース事業の現状と将来について、第三者による分析・検討が行われています。しかし、ビジネスの将来展望は、現在の事業環境を所与のものとして判断すべきものではなく、事業環境を変えていくために経営者が行う主体的な取組み、すなわちこれからの経営戦略とその実行にかかっているものと考えます。
 当会をはじめ、競走会、選手等、オートレースに人生と生活がかかった者は、オートレース事業を今後も生かしてゆくために今回の構造改革に耐えることにしました。また、浜松オートレースをこれまで支援してきたお客様達も浜松レース場の存続を期待しています。この際、是非とも、浜松オートレース事業の経営を、日本トーター㈱または他の意欲ある民間企業に委ね、構造改革の成果を結実させていただきたいと考えます。当会として最大限の協力をさせていただきますので、一刻も早く、ここに提案いたしました包括的民間委託案につき御検討下さいますようお願い申し上げます。

/以上

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